本日は、成城学園前校・吉祥寺校が担当した雙葉中学校の分析を掲載します。
大問1 逆算、平均算、キロバイトの単位換算(キロバイトの事前知識は不要)
大問2 角度の比=円周上の距離の比で考える速さの問題
大問3 六角形の周りを転がる三角形
大問4 複数の円筒を組み合わせた水そうに水を満たす問題
大問5 売買損益とつるかめ算の融合問題
大問1は、年度の数字2023=7×17×17が入った逆算が出題された。
大問4(3)は、体積の比を面積図に落とし込むと非常に分かりやすくなる。
大問5は、雙葉らしく数値が煩雑で計算力を要求される出題がされている。
全体的に、工夫すると楽になる計算など「気づき」を重視している傾向が見られる。
計算力のある生徒を望む雙葉を目指す生徒は、「すばやく・正確に計算する力」を、計算トレーニング等で意識的に強化しておこう。
大問一
説明文は、世界一大きい花ラフレシアの生態の魅力を書いた文章である(高橋晃「ふしぎの博物誌」)。
問九は、筆者がラフレシアをどのような植物だと思っているかを問う記述問題。
傍線部直前の部分を文中の語句を使いながら説明し、再構成する必要がある。
大問二
随筆文は、視覚障害者である筆者が小学三年生の頃に出会ったドイツ人教師である「先生」との思い出をつづったもの。(三宮麻由子「私の先生」)
記述では、先生の行動や意図の理解(問二、五、九)や、筆者の気持ちの読み取り(問八の(二))が必要になる。
さらに、問十で自由記述問題が2年ぶりに出題された。
50分の試験時間内に、「だれかの言葉によって今まで知らなかったことに気づき、自分の考えや行動を変えたような経験を一つ挙げ、それについて書く」のは難しいと思われるかもしれない。
しかしエルカミノでは4年生以降通常授業のテキストで、本文の内容をふまえて、自分の意見や経験、考えを書く記述問題が毎週扱われている。
それらに取り組み、添削を受け、しっかり書き直しをすれば十分対応できる。
雙葉を目指す生徒は、自分とは異なる立場の人物の気持ちを積極的に想像してほしい。
ニュースを見たり物語文を読んだりしたときに、「自分だったらどう考えるか」という問いをくり返し積み重ねることが、文章の読解を深める近道になる。
今年度の理科は、外来種が引き起こす問題、水溶液と金属の反応、北太平洋における海水温の観測、振り子の往復時間について出題された。
幅広く基礎知識を習得しているか、普段から科学記事などを興味を持って見ているかなどが問われているのは例年どおりだが、今年度の大きな特徴は、実験結果や観測結果の数値の表やグラフが多く出題されたことだ。
特に、表の数値の規則性を見つける問題が、化学分野・物理分野の両方で出題された。
また、グラフの読み取りだけでなく、推測してグラフを書く問題も出題された。
雙葉を目指す生徒は毎週の理科の授業と宿題をとおして、分析・考察する力をつけることが必要だ。
今年度は、大問2の隣接3県同士を地域別に比較する問題が特徴的だった。
雙葉の地理は例年基本的なグラフや統計を読み解く問題が多いが、あまりなじみのない図表に驚かず、既知の知識を元に面積・標高などの概数を計算し、冷静に推測することができたかどうかが受験生にとって差がつくポイントだったと思われる。
大問1
新幹線の車窓から、各地の地史を問う問題。
年号順に並べ替える問題のほか、歴史地名を位置と結びつけて正しく理解できているかも問われた。
大問2
隣接する3県の地域別比較。
1県ずつではなく、3県の合計面積を比較する問題など、数値や図から考えさせる問題が目立った。
昼夜間人口比率を問う問題は2020年度でも出題されている。
大問3
日本国憲法、三権分立などが出題され、難問はなかった。
2022年度、2021年度と同様に、地理・歴史・公民の3分野がバランスよく出題された。
雙葉は30分の試験時間で、40問を解く必要がある。
日ごろの確認テストをしっかり解きなおし、基礎知識とグラフや図の読解能力を高め、1問40秒程度ですばやく問題を解ききるスピードが必須となる。