みなさんこんにちは。
今回は豊洲・勝どき校が担当した女子学院中学校の分析です。
大問1は小問集合で、大問2は約束記号の問題。
大問3は論理と推理。
条件から3人の得点を考える。
3人の合計得点と、そのうち2人の得点の差から、ありうる組み合わせが少ないと気づきたい。
大問4は立体図形。
展開図を作るために元の立体を切る辺の本数を求める。
誘導に沿って考えればよい。
大問5は水量変化の問題。
水が入る場所を間違えないように、ていねいに解き進める必要がある。
大問6は仕事算。
実際の作業時間と比が混ざっているため、やや難しい。
線分図や式に整理して解く。
超難問はないが、ほどよく標準~難問が並んでいるため、算数の実力が反映されやすい入試になった。
大問一 |
随筆文。増田れい子『インク壺』(1988)より。
戦時中の経験を持つ筆者が、好きなものを大事にできることの尊さを語る。
大問二 |
論説文。中川裕『アイヌ語をフィールドワークする』(1995)より。
あらゆるものが人間と同じように精神を持ち人間とともに社会を構成しているというアイヌ人の「カムイという観念」を紹介している。
随筆文・論説文ともに出典は古くても、女子学院が伝えたい思いが貫かれている。
昨年と比べて文章の文字数は1000字ほど少なくなったが、問の数は大問一が2問、大問二が7問増えた。
問題をてきぱきこなしていく高い処理能力が必要とされていることは変わらない。
大問Ⅰ:冬の星座と気象 大問:Ⅱ植物の受粉と観察・実験 大問:Ⅲろうそくの燃え方・炎 大問:Ⅳふりこの運動
Ⅰでは星同士の高度の違いから南中高度が問われた。
自分で天球を示す半円を描く工夫をしないと正答できなかっただろう。着眼点の異なる問題が小問で続いており、短時間で正確に答えるのは厳しい。
Ⅳでは、ふりこの周期に関する知識の他に、運動量保存の法則を、たとえ言葉そのものは知らなくても、そうした現象が起こりそうであると予測しないと完答できない難問であった。
Ⅲ、Ⅳでは与えられた条件や表から必要な情報を抜き出して的確に使うことが要求された。
普段の学習で問題に出てくる数字の意味を考えていないと、入試問題では何を計算すればいいかわからなくなってしまう。家庭学習の姿勢が試される問題であった。
女子学院の理科は記号で答える問題が多い。
しかし、記号で答えるからといって簡単なわけではない。
特に今年度は「速い順に並べなさい。ただし同じ速さになるものがある場合は( )でくくりなさい」という単純な大小比較ではない問題が多く出題された。
一つ一つていねいに検証する必要がある。
記号問題が中心で、単純に語句を答える問題は出題されなかった。
昨年度に比べ、問題数が50問程度から30問程度に減ったが、記号問題の選択肢の数が増えていることから、試験全体の文章量に大きな変化はない。
記号問題では、選択肢とされる全ての文章を読み、正確な事柄を判断しなければならないため、女子学院社会の特色である「情報処理能力」が高い質で求められている。
自然災害の被害を減らすための国や自治体、個人の対応を問う正誤問題では、情報処理能力に加えて常識も問われている。
他に、人やものが日本へ入国する際の手続きを問う問題や環状交差点の特徴を考える問題も女子学院らしさのある問題になっている。
知識や常識を使って、すばやく解いてほしい。
以上、女子学院中学校の分析でした。