2022年度 桜蔭中学校の入試分析

みなさんこんにちは。
今回は本郷三丁目校による桜蔭中学校の入試分析です。

算数
大問Ⅰ

計算と小問。(2)平面図形と(3)数の性質は桜蔭の頻出問題である。(2)は見えないものを見えるように図示できたか(可視化できたか)が大事である。

大問Ⅱ

時計算。5年生でも解ける。範囲にだけ気を付けなければならない。

大問Ⅲ

流水算。ダイヤグラムや状況図を書けば、簡単に解ける。

大問Ⅳ

立体図形。一見難しそうに見えるが、(2)で範囲に気を付けて最大最小を絞れば、比較的容易に求められる。ここでも図を描くことで、早く正確に解きたい。

今年は例年に比べて易しく、思考力よりも処理能力を問われた。

 

国語

大問Ⅰ「僕たちはどう生きるか 言葉と思考のエコロジカルな転回」
食べることは、単に栄養やエネルギーを摂取することではなく、自分の体の一部が食べられたものに置き換わっていく過程であるとして、人間の自然との関わり方を述べている。
問五「食べるとき、もっと愉快で壮大なことをしている」と筆者が述べる理由は、直後に述べられている「三五億年前から一度も滅びたことがない生命」「別の進化をたどってきた動植物たちの食卓の上での共演」「スケールの大きなこの世の生態学的な豊かさに対する感動」を60~80字でまとめる。
最後の問六では、自然の富を商品として売り買いしているという現代社会の問題を踏まえ、自然の恵みや感謝について150字程度でまとめる。

大問Ⅱ「そらのことばが降ってくる 保健室の俳句会」
中学生のソラは同級生からのいじめがきっかけで保健室登校をしている。
俳句好きの風変わりな少年ハセオと保健室で出会ったことをきっかけに立ち直りはじめるが、俳句会の中でハセオがソラのいじめの原因となった顔のホクロを題材にしてしまい、ソラは激怒する。
ハセオの純粋なソラへの思いを聞き、2人が本当の友だちになるまでが描かれた。
記述は4題で合計300字程度。
問四では、俳句の内容を理解した上で気持ちを説明する。
ハセオが力量不足を嘆く気持ちだけでなく、ソラの心を傷つけてしまったことへの謝罪の思いも入れたい。
問五では、ソラはすでにハセオを許すつもりであったことを読み取り、150字程度にまとめる。

 

理科

大問Ⅰ:動物 大問Ⅱ:温度と体積 大問Ⅲ:湿度 大問Ⅳ:気体・燃焼

知識問題はどれも平易である。
ただし、大問IVでは「すべて選べ」という形式で問われているので、確実な知識が要求される。

近年の傾向である計算量の多さは今年も健在。
2mの鉄の棒が45℃で1mmのびる事実から、25mのレール同士が50℃でぶつからないための隙間を求めるなど、どの数字をどのように計算するか、瞬時に判断する必要があった。
算数の学力が理科の合格につながる問題だったといえる。

 

社会

大問Ⅰの地理分野の難度が去年に比べてやや上昇した。
試験冒頭の空欄補充問題に手間取っていると試験時間が足りなくなってしまうので、解けない問題は後回しにしたほうがよい。
北関東自動車道が完成する前後でどのような変化があったか、自然災害伝承碑にどのような意味があるか等、知識をもとに考察する必要がある。

大問Ⅱの歴史・大問Ⅲの公民の出題内容は、昨年同様に平易であった。注意すべきことは漢字の誤記だけである。


以上、桜蔭中学校の分析でした。