2021年度 武蔵中学の入試問題分析

みなさんこんにちは。

今回は武蔵中学の入試問題分析です。
こちらは目白本校の教務職員が担当しました。

算数

今年度は、分野的には大きな変化はなく、割合・速さ・平面図形・条件整理等であったが、全体的に問題の糸口が掴みにくい構成だった。

大問1に珍しく計算問題が出題されたが、分母が43と47となったところで、受験生は「しめた」と思ったことだろう。2021の素因数分解だからだ。だが、武蔵は受験生にもう一つお楽しみを用意していた。理解できた生徒はこれでリラックスできたはずだ。

大問4は、立方体の向かい合う面の数字の合計を二面そろえるという条件の問題。4年生以上なら挑戦したい、条件整理の良問だった。今年は、算数が好きな受験生なら、きっと楽しく解けた問題だったといえるだろう。

0201武蔵 算数-1

国語

今年度は説明文であった。

現代の私たちは身のまわりから悪臭を遠ざけ、匂いに対する感受性や想像力を弱体化させてしまった。その結果、私たちが画面越しの悲惨な光景を匂いの欠けた架空の光景として平気で見ることができてしまうことに対し不安を覚えるという内容である。

全体としては読みやすい文章だったが、問2の問題で匂いが郷愁を呼び起こす風流を理解できたか、問6の問題で生き物に対する想像力をはたらかせるためには、ふと立ち止まって考えてみる必要があるという、筆者の主張を読み取れたかどうかがポイントとなる。

理科

大問1は、アルコール温度計に関する出題。液体の温度による体積変化をきちんと理解していれば計算自体は割合の問題なので解きやすい。

大問2は生物の総合問題。川幅が変化したときの流速の変化やカモの泳ぎ方など、基礎知識をベースに自分なりに考察し、論証する。

大問3はお土産問題。今年は等間隔で引かれた何本もの黒線が描かれた紙と、同様に描かれた透明シートが配られた。観察したことをうまく言語化する能力が求められる。

社会

明治期に「瓦版」が「新聞」になった背景や、第2次大戦中の報道規制を問いながら、情報の発信・入手の手段が多様化した現代における新聞のあり方について考える問題であった。

単なる知識ではなく、知識をもとに考える力を見ようとする形式は例年どおり。普段の学習では些末なことを覚えるだけではなく、背景や理由を考える習慣が大切だ。

問3や問6の「本文から読み取る問題」で最後まで書ききれたか、問7の「現代における新聞の価値」を答えられたかどうかで差が出たものと思われる。

以上、武蔵中学の分析でした。
次回も引き続き入試分析の記事を掲載します。