2021年度 桜蔭中学の入試問題分析

みなさんこんにちは。


今回は桜蔭中学の入試問題分析です。
こちらは本郷三丁目校の教務職員が担当しました。

算数

大問[1]は計算と小問。(2)周期と(3)数の性質は桜蔭の頻出問題である。書き出して調べる作業を短時間で行わないと残りの問題をあわてて解くことになる。

大問[2]は場合の数。例示のとおりに場合分けをして調べることが求められる。考える方向性は問題文に示されているが、それでも正解を求めることは難しかったと思われる。

大問[3]は水槽とグラフ。一見難しそうに見えるが、水面の高さと底面積、水の体積の状況をとらえられれば、問いに答えることは易しかったと思う。

大問[4]は点の移動。時計算の応用にすぎないが、角速度を具体的な数値を使って考えると計算が煩雑となる。比を使うことに気づけると楽に問いに答えることができる。

国語

大問Ⅰ「はずれ者が進化をつくる 生き物をめぐる個性の秘密」 
設問にも用いられた「“本当の自分”らしさを探すときには、~『らしさ』を捨ててみることが必要なのです」という箇所から、桜蔭が求める生徒像がうかがえる。読みやすい。

大問Ⅱ「あしたのことば」
どうしても仲良くなれない級友とは「馬が合わない」のだから、無理をする必要はないというメッセージが込められていた。もやもやとした感情に名前が与えられることによって気持ちを整理した主人公の姿から、言葉を知る大切さを読み取ることができる。

理科

大問I 電磁石 大問II 植物 大問III 水溶液 大問IV 太陽の動き
いずれも桜蔭の問題としては極めて平易と言える。

大問IVは2018年の女子学院に類題が出題されている。
さまざまな学校の問題に触れているエルカミノの生徒には有利だっただろう。

社会

今年も全体的に難易度は低め、問題内容としては奇をてらったものはない。
大問Ⅰの地理・大問Ⅱの歴史・大問Ⅲの公民はどれも平易であった。
しかし、正誤問題の選択肢の文章に、やや判別が難しい問題があった。
合否は正誤問題にかかっているといってよいだろう。
昨今に見られる「スピード勝負」の傾向は続くと思われる。

以上、桜蔭中学の分析でした。
次回も引き続き入試分析の記事を掲載します。