みなさんこんにちは。
今回は女子学院中学の入試問題分析です。
こちらは成城学園前校の教務職員が担当しました。
算数 |
計算、角度、整数、売買損益、ニュートン算、面積、体積、場合の数、速さといろいろな分野から出題されている。いずれも基本的な解法が定着していれば解答できるが、例年どおり問題数が多いので解法の定着度が得点に直結したはず。今年も8割はとりたい内容である。
国語 |
大問一の随筆文は、2018年に刊行された『好きになった人』からの出典。作者は梯久美子さん。フィギュアスケートを通して、作者の小学生時代の経験から生じた思いが書かれた随筆文である。世の中には、不条理なこともあるという大人の世界をふまえて設問に答える。
大問二の説明文は、2006年に刊行された高橋敬一さん『昆虫にとってコンビニとは何か?』からの出典。自然保護という言葉から、作者が思い浮かべる二つのタイプについて論じている。一見すると人間の「やさしさ」といったプラス面にとれる言葉から、筆者の批判を読みとるといった、深い読み込みが求められる設問となっている。
大問三は漢字の書き取り。受験生として当然知っているべき言葉が、漢字で書けるかどうかが問われている。
理科 |
電磁石、国際宇宙ステーション、サバクトビバッタ、塩酸・水酸化ナトリウムとアルミニウムの反応が出題された。複雑な計算もなく取り組みやすかった。
しかし、大問3のサバクトビバッタ(市川中でも扱われていた)を知る受験生はいなかっただろう。普段は数が少なく孤独相、ある時突然大発生し巨大な群れを作る群生相があるバッタだという。知らない事象が出題されたときにあわてない普段の訓練が必要である。この問題では、問題文とグラフを突き合わせて情報を整理する能力が問われている。
社会 |
「食」をテーマとして、日本の食糧の歴史や政策、今後の課題点が出題された。昨年度と異なる点として、問題数は50問程度に増え、ひとつの大問に地歴公民が入り交じる出題となった。女子学院社会の特徴である“処理能力重視”に立ち戻ったといえる。
大問Ⅳ問5、食料供給が途絶える可能性について予測する問題のように、単なる知識の暗記だけでは対応できない問題がここ数年必ず出題されている。日頃から「これは本当によいことなのか」「なぜこんなことが起こるのか」「これが後々何につながるか」等、多面的なものの見方を心がけたい。
以上、女子学院中学の分析でした。
次回も引き続き入試分析の記事を掲載します。