みなさんこんにちは。
本日より、男女御三家中学の入試問題分析を掲載していきます。
まずは吉祥寺校の教務職員が担当した麻布中学です。
算数 |
昨年の大問6のような目新しさを感じる問題は少なかったものの、定型的な問題をもとによく練られた内容で学力どおりの結果になったと思われる。
大問1と2は標準レベルの問題。
大問3はひし形をたくさん重ね合わせてできる図形の面積を求める問題で方針はすぐ立っただろうが、ミスをしやすい箇所があり慎重に処理したい。
大問4は7と13で作れる数を調べればよい問題だが、計算がやや煩雑で解ききるのは大変だったかもしれない。
大問5ははじめは悩むが、方針が立てば一瞬で解ける問題なので、時間をかけずに解きたい。
大問6は2つの数の積に関する問題で、誘導に乗ればそこまで難度は高くなかった。
飛び抜けて難しい問題はなかった代わりに全体的に計算量が多く、時間内に解ききるのは大変だったという印象であった。合格ラインは昨年並みかやや低くなると見る。
国語 |
例年どおり物語文一つからの出題。10000字を越える長文であった。
出典は津村記久子「河川敷のガゼル(『サキの忘れ物』)」で、2020年6月発売。
ある日河川敷に現れたガゼル、その警備をする大学生と男の子の話。2人はともに不登校で、満たされない日常を送っている。最後にガゼルは、決して恵まれているとはいえないが自由ではある柵の外へと逃げ出してしまう。
自由な校風の麻布中が、新たな自由の定義を示したようでもある。
記述は長くて100字程度が1問あるだけで、その他は40字程度が8問。文章の長さを考慮すると、スピードと簡潔にまとめる能力が求められている。
理科 |
例年どおりの構成と問題数。
大問2氷期と日本人の起源に関する問題は、図をもとにしてきちんと筋道を立てていけば取り組みやすい。
大問3の「拡散」もことわざと絡めたり、算数の規則性と絡めたり、文章をきちんと読めているのか問われている。
大問4は発電機に関する問題。洗濯機の効率的な使い方など身近な話題は定番になっている。
10ページと長文で問題量は多いものの、リード文の誘導にのりながら解き進めていきたい。
社会 |
例年、大問一題で長いリード文があり、問いが1から13ほど続くのだが、本年度はリード文が二つあり、大問1が問1から問9まで、大問2が問10から問16までという形式になった。
食をテーマにした内容のリード文で、伝統的な食文化からご当地グルメ、プライベートブランドや子ども食堂など地理や歴史、時事問題を含む総合的な問題である。
選択肢問題が5問あったが、表やグラフをしっかり読み取り正解したい。
記述は表や写真から読み取れることを考えさせる問題であった。
設問の意図をしっかりと理解し的確にまとめたい。
問16は学校給食にかかわる問題点と改善策を自分で考え80字以上120字以内で書くものであった。普段からさまざまなことに問題意識を持ち自分の考えをまとめる練習が必要である。
以上、麻布中学の分析でした。
次回も引き続き入試分析の記事を掲載します。